1最近の案件や相談から見えてきたこと

最近、Laravelのバージョンアップに関する相談が少しずつ来るようになった。

個別の構成やサポート期限を調べていくと、いくつかの話がつながってきた。
OSが長く保守するPHPと、その上で動くLaravelでは、更新のペースがずいぶん違う。

というわけで簡単に調べてまとめてみた。

2三つのサポート期間を分けて見る

RHELの長期保守PHP

10

RHELのFull Life対象パッケージは、OSの通常ライフサイクルに沿って保守されます。すべての配布PHPが対象ではありません。

PHP本体

4

バージョンごとに、通常サポート2年+セキュリティサポート2年。

Laravel

2

各メジャーバージョンの公開から、セキュリティサポートは基本2年間。

RHEL系OSの標準PHPを使うなら、
9系のPHP 8.0は2032年頃まで、10系のPHP 8.3は2035年頃まで現役だ。
[1][2]

AlmaLinuxやRocky Linuxも同程度のサポート期間を公表している。[3][4]

3グラフでみてみよう。

下が現時点での公開情報を基に作成したグラフだ。

通常サポート(PHP本体) セキュリティサポート サポート終了 予定・予測 現在(2026年9月末)

OS標準のPHP

RHEL 9/PHP 8.0 RHEL 9 配布PHP:PHP 8.0 公開:2022年5月 配布元の保守:2032年頃まで Full Life対象の配布パッケージ。サブスクリプション・保守フェーズごとの対応範囲が前提です。
RHEL 10/PHP 8.3 RHEL 10 配布PHP:PHP 8.3 公開:2025年5月 配布元の保守:2035年頃まで Full Life対象の配布パッケージ。追加されるPHPも同じ期限とは限りません。
RHEL 10.2〜/PHP 8.4 追加 RHEL 10.2〜 配布PHP:PHP 8.4 追加 公開:2026年5月 配布元の保守:2029年5月まで OS全体より保守期間が短いApplication Streamです。
Ubuntu 26.04/PHP 8.5 Ubuntu 26.04 配布PHP:PHP 8.5 公開:2026年4月 配布元の保守:標準保守は2031年5月まで。Ubuntu ProのESMは2036年5月まで。 標準のセキュリティ保守はMainが対象。UniverseのPHP関連パッケージはUbuntu Proなど、個別の保守条件を確認します。
Debian 13/PHP 8.4 Debian 13 配布PHP:PHP 8.4 公開:2025年8月 配布元の保守:通常保守は2028年8月まで。LTSは2030年6月まで。 LTSには対象アーキテクチャ・パッケージの制限があります。

PHP本体

PHP 8.1 PHP 8.1(サポート終了) 公開:2021年11月 通常サポート:2023年11月まで セキュリティサポート:2025年12月 終了
PHP 8.2 PHP 8.2 公開:2022年12月 通常サポート:2024年12月まで セキュリティサポート:2026年12月まで
PHP 8.3 PHP 8.3 公開:2023年11月 通常サポート:2025年12月まで セキュリティサポート:2027年12月まで
PHP 8.4 PHP 8.4 公開:2024年11月 通常サポート:2026年12月まで セキュリティサポート:2028年12月まで
PHP 8.5 PHP 8.5 公開:2025年11月 通常サポート:2027年12月まで セキュリティサポート:2029年12月まで
PHP 8.6 PHP 8.6(予定・予測) 状態:開発版 公開:2026年11月19日(公式予定) 通常サポート:2028年12月まで(現行方針からの見込み) セキュリティサポート:2030年12月まで(現行方針からの見込み)

Laravel

Laravel 10 (PHP 8.1–8.3) Laravel 10(サポート終了) 対応PHP:PHP 8.1–8.3 公開:2023年2月 セキュリティサポート:終了
Laravel 11 (PHP 8.2–8.4) Laravel 11(サポート終了) 対応PHP:PHP 8.2–8.4 公開:2024年3月 セキュリティサポート:2026年3月 終了
Laravel 12 (PHP 8.2–8.5) Laravel 12 対応PHP:PHP 8.2–8.5 公開:2025年2月 セキュリティサポート:2027年2月まで
Laravel 13 (PHP 8.3–8.5) Laravel 13 対応PHP:PHP 8.3–8.5 公開:2026年3月 セキュリティサポート:2028年3月まで
Laravel 14 (予測) Laravel 14(予定・予測) 公開:2027年Q1頃(作成者予測) セキュリティサポート:2029年Q1頃まで(作成者予測) 公式の公開日・保守期限は未発表。例年の公開周期と約2年の保守方針に基づく予測です。

Symfony

Symfony 5.4 LTS (PHP 7.2.5+) Symfony 5.4 LTS 最低PHP:PHP 7.2.5+ 公開:2021年11月 セキュリティサポート:2029年2月まで(延長)
Symfony 6.4 LTS (PHP 8.1+) Symfony 6.4 LTS 最低PHP:PHP 8.1+ 公開:2023年11月 セキュリティサポート:2027年11月まで
Symfony 7.4 LTS (PHP 8.2+) Symfony 7.4 LTS 最低PHP:PHP 8.2+ 公開:2025年11月 セキュリティサポート:2029年11月まで
Symfony 8.0 (PHP 8.4+) Symfony 8.0(サポート終了) 最低PHP:PHP 8.4+ 公開:2025年11月 セキュリティサポート:2026年7月 終了
Symfony 8.1 (PHP 8.4+) Symfony 8.1 最低PHP:PHP 8.4+ 公開:2026年5月 セキュリティサポート:2027年1月まで

棒は「公開〜セキュリティサポート終了」。更新の適用が前提です。Laravel 14は2027年Q1ごろ公開・約2年保守の作成者予測、PHP 8.6は公式の予定(2026年11月19日公開)です。RHEL 10は2035年頃まで続くため、右端を越えて表示しています。棒にマウスを重ねる(スマホはタップ)と詳細を表示します。

OS配布版の保守は、対象パッケージ・契約・保守フェーズにより範囲が異なります。PHP本体や外部リポジトリの期限とは分けて確認し、配布元の更新を適用する必要があります。

出典・確認した公式情報

情報確認日:。予定や保守条件は変更される場合があります。

Laravelは内部でSymfonyのコンポーネントを利用している。その関係を踏まえ、グラフにはSymfonyのサポート期間も掲載している。

4ライフサイクルの差

なるほど、見えてきた。

OSとLaravelのライフサイクルは、
絶妙にかみ合わないのである。

毎年新しい版を出し、モダンなPHPを取り入れていくLaravel。一方、OSは同じ基盤を長く保守することを前提としている。

その上で動くフレームワークと、土台となるOS。組み合わせて使うものなのに、想定している保守の時間軸がまるで違うのだ。

5Laravelの開発しやすさは魅力だが…

Laravelの開発しやすさは魅力だ。

ただ、長期運用を考えるなら、バージョンアップに追随するための更新コストも見込んでおく必要がありそうだ。

また、機能や開発の面で「Laravelをバージョンアップする必要があるシステムなのか」も考えておきたい。

機能も動作も安定していて、今のLaravelで十分に開発を続けられる。それでも、公式のセキュリティサポートを受け続けるには、Laravelの更新が必要になる。場合によっては、PHPのバージョンも引き上げなければならない。

欲しい機能のためではなく、今のシステムを保守し続けるための更新。そのコストも含めて、長く付き合える構成かどうかを考えたい。

6最後に

株式会社ナノミクスでは、Laravelにとらわれず、システムの要件や運用・保守体制に合わせて、最適なPHPシステム開発を提案している。

この記事にピンときた、お困りのあなた。
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Laravel以外の選択肢が微妙に少ない現状でもあるのがもどかしい、そんな日々だ。🥴

出典・確認日:2026年9月24日

期限は公式の通常保守を基準とし、独立した第三者の延長保守は含めていない。開発中の要件は正式版と区別し、参照したコミットを固定している。

  1. Red Hat: Application Streams Life Cycle
  2. Red Hat: RHEL Life Cycle
  3. AlmaLinux: Release Notes / lifecycle
  4. Rocky Linux: Release and Version Guide
  5. Laravel 9: Support Policy
  6. Laravel 10–13: Support Policy
  7. Laravel master: composer.json (cd6e81d)